Eishinofficial

『メビウス症候群』という難病と闘う1人の大学生の何気ない日常ブログ

(Eishin生誕20年記念‼️)EMemories~みんながちがう世界~ 第1話

第1章​奇跡の出会い


  ​第1話「博識からの運命」



ー現在ー


とある専門学校。




英斗はいつものように学校の先輩方と語っている



「いやぁ、今日の授業もダルかったっすよ!」



と話すと



「そりゃ、そうだろ!科目多いんだし。」



と先輩A。



「それにしても、色々とこれから大変そうだ。」


と先輩B。




「ですよねぇ。」


と英斗は、頷きながら外の空を見る




外はどうやら曇りのようだ。




「そういえば、英斗君ってさ、何人兄弟だっけ?」



「3人です。」



先輩の問いに素早く応える英斗。



「3人かぁ、もしかしてみんな長崎生まれ?」




「姉と、自分だけです。」



またまた素早い。



「それにしても、長崎と福岡と鹿児島、色々凄いよなぁ。両親とかどうやって出会ったとか聞いた事ない?」



「あぁ、ありますよ。タダ、それを言うと、色々絡んでくるので、言っていいのか分かりませんが。」



なんせ、その話は色々と深いからだ。




放課後、英斗は寮に帰った




いつものようにベットの上に座り



ひと休憩してると




スマホに着信があるのに気づく




姉からだった。




「もしもし、どないしたと?」



「いやぁ、ごめんごめん。誕生日のプレゼントを頂いたものだから、そのお礼の電話で。」




「あー、そういえば今日誕生日だったね!」




「いや、忘れてたの!?姉の誕生日を忘れるなんて、酷いわ!」



「ごめんごめん、それにしてももう23歳かぁ」




「そうだよ、もうあれから23年も経ったのよ。」




「あれから…か。」

英斗は振り返るようにして、言う。



「他のみんなはどうしてるのかなぁ」

姉・愛菜も振り返るように、言う。




「きっと、元気にしてんだろうな。」

と英斗




「もちろん!」



愛菜




「確かに、今見ても奇跡だよなぁ」





「奇跡?」




「お姉ちゃんとこうして姉弟になれたのが、凄い奇跡なんだよなぁと思って」




「まぁ、そうね。だけど、悲しい事もあったけどね。」



「まぁ、それは今の家庭だと絶対に話せないここだけの話になっちゃうけどね。」




「そうだねぇ。けど、あの奇跡は本当に化石だったね。」






それは、周りでもあまり知られていない奇跡の話である。




ー1995年・5月ー長崎



長崎大学に通う1人の学生



彼女こそが、今回だけの主人公である。




いいえ、主人公の1人とでも言っておこう。




その名は、瑞稀



「今日も天気が晴れだねぇ」



いつものように、友人達とキャンパスの門をくぐる




「そういえば、昨日のレポート終わった?」



「いやぁ、終わってないよw」




「あんなの、一日で終わるものじゃないもんねwww」




と色々話している。




そして講義開始



「これは、家出件数のグラフです。まぁ特に最近のバブル崩壊直後から家庭が悪化して、子供にも精神を浸して家出をしてしまっているそうですね。まぁこの不景気はなんというか、類に見ないデフレでしたね。」



すると、1人の生徒が挙手をする




「はい、そこどうぞ。」




「今後、『 失われる経済が続く』と言われてますが、先生はどのようなお考えでしょうか?」



とその生徒は質問する。




「おぉ、良い質問だ。まぁ今後だとその通り、失われた経済が30年以上続くと言われている。それを『 失われた30年』と言うわけだ。まぁあとは今の村山内閣次第やな。」



「確か、彼は野党出身ですよね?」




「まぁ、そうだな、日本社会党だからな。自民党は未だに選挙にも勝ててない。しかもどんどん政党が新しく作られている。このままだと、次々と政権交代されていくだろうね。」



「でも、自民党に戻る事もありえるんじゃ。」




「まぁ、支持率が戻ればの話だけどね。」




と政治ネタで盛り上がっている。




ちなみに、講義は「児童福祉」である。




放課後




「なんか時事ネタ多かったね。」




「そりゃそうよ、バブル崩壊から今は結構動いてるからねぇ。」



「そうなんだ。」




「まぁこれ以上、不景気で悪事が起こらなければいいんだけど。」




と大学のフリースペースにて、パフェを食う





ー1990年10月・郵政省(現在の総務省)ー





「お疲れ様です!」



1人の青年がディスプレイコンピュータの電源を切り、デスクから立ち上がる



その日の終業のようだ




「お疲れ様、岩城君。」


と上司の田中さんが声をかける



「お疲れ様です!」


と岩城



「どうだ、今夜飲みでも行かないか?」


「良いですね。」



「ちょうど岩城君には伝えたい事があったりとじっくり話したかったんだよ。」



「そうですか、じゃあいつものところで。」



「じゃあ、19時でな。」


岩城は腕時計を確認した、17時前


今日は早く終えられたようだ。



「わかりました!」



と2人は分かれる




この男こそが、後に偉大なる伝説を築く1代目・岩城大輔である




今回は飲み会のシーンだけ覗いて、後は次の回にまわすとしよう



ー東京・銀座ー



ここに、彼等の行きつけの「MFood&sake」がある



居酒屋と食堂の複合店のようだ



2人は、カウンター席で炭火焼きとお酒を楽しんでいた




「実はな、君も官僚になって5年だろ?」



「そうですね、ほんと早いですよねぇ」



「実は君に出向の話が来てる。」



それを聞いた大輔は、飲んでいた日本酒を吹き出し



「しゅ、出向!?」



「あっはっはっはっw、まぁよく落ち着いて聞きたまえw」



「でも、どうして?」



「もちろん、君が優秀だからだよ。仕事も早いし、効率もいい。能力もずば抜けている。ミーティングの時は必ず有能な意見を披露する、それでうちの部署は高評価だ!!そんな逸材を下っ端に放置する訳にはいかないだろ?それが決め手だ。」




「なるほど。。。」


そう言って、さっき吹きこぼした酒水を拭き取る



「っで?、どこの部署なんですか?」


大輔はそう聞くと、お酒を口にする



総理府だ。」


※現在の「内閣府


田中がそう言うと、岩城はさっきより強い威力で吹き込んだ





「マジで!?、それ冗談ですよね?」



「本当だ。この私が、仕事の話で冗談を言った事はあるか?」




「まぁそうですが、総理府って。えー、いや心の整理がつかないです。」



「まぁ、そうであろう。あくまでこの話は任意だ。岩城君自身が行くか行かないか判断するといい。後は全て君自身に任せる、まぁ僕は岩城君には総理府が一番向いてると思うけどなぁ」



「行政府の1番手」



「そうそう、一番にこの国を支える省庁だからなぁ。君みたいな逸材が1人いることで、この国は潤うだろうな、特にこのバブルの大好景気となると、だいぶ待遇が凄そうだな。どうだ、入る気になった?」




「まぁ、考えみます。」




ちなみに、この出向が彼の運命を覆す事になる



詳細の話はまた次の回





そんな2人は2時間後の21時に分かれた




ー東京・中央区のとあるマンションー



大輔の自宅。




「やっぱり迷うなぁ。」



リビングにあるパソコンを触りながらそう呟く



「どうしたの?そんな頭抱えて。」




同棲の櫻である




「実は、出向が決まってさ。」




「出向!?、大ちゃん、もしかしてまさかの昇給?」



そう後ろソファーのハート枕に抱きつきながら言う





「まぁ総理府だからそうなるよな。」





「えー!、じゃあ私たちは盛大な結婚式を挙げられるってこと?」




「いやいや待てw、まだ結婚すると決まった訳じゃ」




「だってそうじゃん。私たち、もう高校の時から付き合ってんだよ?しかも幼なじみ。あの時は大ちゃんとは結婚しようと思ってたんだから。ほら、あの時。。。」



そう言って、櫻は幼稚園の頃にしたおままごとのシーンを回想していた




「私たち、あの時の夢を遂に叶えられるのね、だーいちゃん。」



そう言って、振り向くと誰もいなかった




大輔は既にお風呂に入っていた





「ちょっとぉー、大ちゃん!!」



そう言って、大輔が入ってるバスルームの扉を開ける




「なんだよ、今シャワー浴びてるだろ!!ちょっとぐらい待ってられねぇのか。」




「さっきの話聞いてた?」





「何の話だよ?」




そう大輔が言うと、櫻はため息をついた。




数時間後





24時





2人はベッドにつく




「大ちゃん、今日もご苦労さま」




「まぁ、出向については明日田中さんに話すよ」



「それよりさ、いつものやろ♡」




「待てよ、君は早すぎなんだよ。」




「私は、この世界で一番大ちゃんが大大だーいすき♡」




そう言って、2人は愛し合った




まぁここからは大人だけの場面なので




もうやめとして、時を戻すとしよう。




ー1995年・長崎大学



今回は、先程の1人の学生が主人公の話である



そんな主人公、瑞稀は友達とフリースペースでパフェを食べていた




「それにしてもさ、この時に言うのもなんなんだけど、みんな進路どうすんの?」


と沙友理



「いや、まだ入ったばっかだよ?進路とかまだ幻想の中。」




「私はもう、入った時から決めてるけど。」



そう言ったのは、瑞稀




「さすが瑞稀!!、じゃあその進路、聞いちゃおうかなぁ」




社会福祉士




「マジか、全く異なる道!!」


と美晴



「文系でそうなるのか。」



「難しいなぁ」


「まぁあと3年ありますからね」


とさっきの山川教授が来た



「先生!!」


4人は同時にそう言った




「まぁ、教育学部と言っても道は色々ありますからね。先生に限らず、田代くんみたいに社会福祉士の道だって拓ける。1つの学部でも、道は無限大さ。」



「つまり、なれるってことですか?」


と聞く瑞稀



「あ、なれるとも。特に君みたいな心優しい女性はむしろ社会福祉士にぴったりさ。」




「私、頑張ります!!」



そう瑞稀が言うと山川教授は笑顔になった




「輝く夢を拓きたまえ。後、さっきの講義は見事だった。政治をあそこまで語れる学生は初めて見たよ。」


「まぁ、父が国家公務員なもので」



「そうか、そりゃ詳しいわけか。ちなみに国家公務員というのは?」



「海自です。」




「あー、自衛官か。またまた立派なご職業を。」


「まぁ、そうですね」




「とにかく、いい夢を見たまえ。good luck!!




そう言って、彼はその場を去っていった。




その後ろの3人の目は輝いていた




「素敵だわぁ」





「ホント、山川先生ってやっぱりどこから見てもイケメンねぇ。」




そう美晴が言う





「なに照れてんのよ!!」




「いや、別に照れてなんか」




「照れてるわよ!、顔真っ赤だもん。」





そう言って、美晴は瑞稀の頬を触った





「山川先生。。。」





この教授はいつしか、瑞稀の恩人となっていった




翌日後





瑞稀達は一限目の「文学史」を受けていた



講義内容は、「夏目漱石の『こころ』~罪の重さ~」であった


「つまり、その先生というのはとある人との距離感を誤ってしまったわけだ。そこで先生はだいぶ病んでしまい、全てを失望してしまったわけです。」




と田村教授が講義してる中、瑞稀は上を向きながらうっとりとしていた





そう、どうやら昨日の山川先生がだいぶ気になっていたようだ




「恋というのは、大きな病なわけだ。ロマンとライフを区別しなければ、人生は一瞬にして狂ってしまう。それを物語ってるわけだな。」





「恋。。。。。。」




瑞稀は変わらずうっとりしていた




横のの美晴たちが「瑞稀、瑞稀、瑞稀」と何度も肩を叩いて呼びかけるが、一方に反応しない





「もしかして、昨日の先生とあの『こころ』を重ね合わせているんじゃ」


と沙友理が小声で話すと





「WOW!」と3人は小声で驚く






すると、「先生。。。」と瑞稀はうっとりしながら声を出してしまう





すると、講義室にいた全員が一斉に瑞稀のほうに振り向く





「先生。。。」ともう一度声を出す瑞稀





「こらこら、瑞稀!みんなが注目してる!!」



と沙友理は激しく瑞稀の体を揺らすと





やっと瑞稀は、気が付く


どうやら戸惑ってる様子




「田代くん、大丈夫ですか?」




「あっ、全然大丈夫です。」



と瑞稀は応える




「いや、さっきまで山川先生に夢中だったし」


と美晴は小声でつっこむ




昼休み、4人はいつものフリースペースにいた



「瑞稀、あんた山川先生に惚れたんだろ?」


と美晴が冗談で言うと




「惚れてなんかないよ。」


と瑞稀が応える



「まぁ、正直に言えって!どうなの?」


と晴美が言うと


「なるほど、そういう事だったのか。」




と笑いながら田村教授が入ってきた




「田村先生!」


と全員



「いや、ここ教授立ち寄りすぎだろ!」


と沙友理がつっこむ



「良いじゃないか、私達も生徒と距離を近づけたくてね。特に君たち一年生だとまだ初対面の人が多いからね。」



「まぁ、それはそうですけど」




「それにしても、まさか田代くんがあの山川先生に恋をしてるとはね!」



「ち、違います!!」



と瑞稀は赤顔で言う



「あっはっはっはw、君はどうやら嘘がつけないようだね。」



と田村教授が言うと、瑞稀は赤顔で俯く



「まぁ、恋はいい事じゃないか。そんな田代くんに朗報だ。」



「なんですか?」



「ちょっと耳を。」


そう言うと、瑞稀は耳を傾ける



「山川先生がお呼びですよ。」



と田村教授は瑞稀に小声で言う




「えっ!」と思わず驚いてしまう




「なになになに!」


と3人は興奮する



「もうアオハルの予感しかしないわ!!いや、もう100パーセントアオハルよ!」


美晴は興奮しながら言う




「まぁ、山川先生の研究室に行ってみるといいよ。」


そう言って、田村教授は胸ポケットにあったメモ帳に山川教授の研究室がある地図を書いて渡した



「では、また。」



と先生が言うと瑞稀は「ありがとうございます!」とお礼を言った



「おっと、これだけは言っとかないとな。あの先生、かなりの変人だから気をつけろ。」



「変人?」



「そう、世間には『変人ヒストリア』と呼ばれている。まぁ全ては実際に行ってみたら分かるさ。」



「わかりました。」




「では、good luck!!



と田村教授はその場を去っていった






「なに、今教授の中で流行ってんの?『good luck』」



と沙友理がつっこむ




放課後・文系研究棟。




瑞稀は1人で廊下を歩き、山川先生の名前を探していた



「うわー、瑞稀の歴史的瞬間よ。」



と美晴が小声で言う




実はこっそりと3人も瑞稀を尾行していた




そんな瑞稀は、「山川大和教授」という名札が貼ってある研究室を見つけた




瑞稀はノックをした




何も反応がなかった




ドアノブを引いてみると、鍵が開いていた




瑞稀は中に入っていった



入口にはたくさんの本が並んでいた



奥に行ってみると



すると、そこには複数の女子生徒がいた




どうやらゼミの補習のようだ




瑞稀はこっそりと授業を聞いていた



鎌倉幕府を支えた番頭武士たちは、次々と対立する傾向にあった。あの源平合戦で次々と権力を得てきた武士らがどんどん出世していき、平氏滅亡後には番頭となっていた彼等は、それぞれの国を手に入れ、守っていったのだが、それは頼朝死後に破滅寸前となり、結局は北条一族に乗っ取られてしまう。そういうわけだ。」



すると、山川教授は腕時計を見た




「おっと、時間のようだ。では君達、また次の時間に日本中世史の鎌倉時代初期の続きをやっていくとしよう。では、お疲れ様です!」



「お疲れ様でした!」



とゼミ生全員が言い、退室して行った




その後山川教授は、黒板を消した後



後ろを振り向いた時に、瑞稀が経っているのに気付く



「おっ、田代くん!」






山川教授は、瑞稀にホットティーを用意した




「ありがとうございます。」


と瑞稀は礼を言う




「っで?、なんの用でわざわざここに?」




「いや、なんか。。。たまたま通りかかったものでいるかなぁと。」




「っにしては、不自然だなぁ。ここの棟は基本的にはゼミ生しか立ち寄らないはずだ。なのに1年生の君がここに来たという事は、かなりおかしい事である。なにかあったんじゃないの?」




「実は。。。」



「なんだい?、そんな黙る必要は無い、遠慮せず言いたい事があれば、何でも言いたまえ。」




と言って、山川教授はコーヒーを口に注ぐ





「好きなんです!」



と瑞稀が言った瞬間に山川教授はコーヒーを吹き出す




「あっ、すみません!大丈夫ですか?」


そう言って、瑞稀は近くにあった布巾で机を吹く





「いや、田代くん。タイミングというのはあるでしょw」




「でも、これは本気なんです。」




「田代くん、君ね。まだ18でしょ?その年齢でこの大人である私を恋するというのは、あまりにも複雑すぎないかい?」



「もしかして、ご結婚されてます?」




「まぁ、そうなるかな。」




「そうですか。。。」




「期待に答えられなくて、本当に済まなかった。」



「良いんです。」



「もしかして、それを言いにわざわざここに?」




「すみません。。。」




「まぁ、まだまだ君みたいな年齢は青春だからねぇ」




「お忙しいところ、わざわざすみませんでした。」




「いや、構わんよ。いつでも遊びに来てくれ、君みたいな好奇心旺盛の人には私と気が合うからね。」




「そうですか、じゃあまた今度、史学をおしえてください!」




「考えとくよ。」





「では、失礼します!」




そう言って、瑞稀が退室しようとすると





「瑞稀くん!」





「なんですか?」





「期待に応えられなかった侘びじゃないけど、このイベントもしかしたら興味あるかなぁと思って」




そう言って、渡されたのは



ライブハウスイベントの紙広告ポスター





「毎年行ってるという職員がいてね、この方は『スーパーミューンズ』っていう音楽バンドグループが好きらしくてね、なんかかっこいいらしいし、いい曲らしいよ。」




「へぇ、そうなんですか。」





「ぜひ良かったら、あのいつものフレンドメンバーで行ってみたらどうだ?」





「考えときます!」





「まぁ、それこそ君のためになるかもな。」




この山川教授の一言がまさか、的中するとは瑞稀にはこの時に知る由もない





ー数分後ー




長崎大学・中庭キャンパス





「ライブハウスイベント?」




美晴が訊く




「なんか、面白いらしいよ。」





瑞稀が応える





「でも面白いじゃない?」




美穂が言う






「まぁとりあえず行ってみますか!」





「『スーパーミューンズ』っていうグループが面白いらしい。」



瑞稀がそう言うと




「なんかどっかで聞いた事あるような。。。」



と美穂





「ホントに!」



と瑞稀





ー長崎繁華街近郊・瑞稀宅ー



「結局、教授とは失恋しましたよ。」


と瑞稀は、幼じみの櫻と電話で話している



「なるほど、それは残念だったねwww」


鹿児島市から櫻は電話している




「そっちはどうなの?大学のほうは?」



「まぁ、順調。学校にも慣れてきたから。」


と櫻





「やっぱり、3ヶ月行くと慣れるよねぇ」




「まぁ、なんとかね。ちなみにお盆はどうするの?帰ってくるの?」




「いや、辞めとくよ。うちの親は会社の経営とかで忙しいからさ。そっちは?指宿に帰らんの?」




「まぁ、帰るよ?ついでに瑞稀のご実家にも顔出そうかなぁと思ってて」



「良いよ。。、そこまでしなくて」




「いや、最近瑞稀の親御さんに会ってないからさ」




「まぁ、そうだけど。」




「大丈夫?長崎。」




「大丈夫だよ、何も心配せんといて。」




「なら良かった。じゃあ、また電話ちょうだいね。」




「分かった、また連絡する。」



「じゃあ、また、元気でねぇ」


そう言って、瑞稀は受話器を置いた



ー翌日後ー 長崎大学某キャンパス 



いつものフリースペースにいつものメンバーで座っていた



「結局、ライブハウス行くの?」


と美晴



「まぁ、パンフレット貰ったんだから行くしかないよ。」


と瑞稀


「今日だぞ?みんな大丈夫?」

と沙也加


「まぁ、なんとか」



と晴美




「やっぱりやめた方がいいんじゃないの?ライブハウスなんて私達が行くようなところじゃないよ!」



「まぁ、そうだけど。。。」



「とりあえず、行ってみようよ‼️ライブハウスだよ?ご馳走とか出るんでしょ?」


と美晴



「だね!よし、行こう行こう❗️」




ーその夜ー ライブハウスFAMILYS



5人は、笑顔でライブハウスの入口に入る



そこには、受付の女性がいた



「皆さんは5名様でしょうか?」



「はい、5名で!」

と瑞稀



「では、こちらでどうぞ?」



受付の女性はイベント会場に案内した




そこには、座席が多く用意されており



多くの観客がいた




「こちらの方でお座りください」



「ありがとうございます」



「あと、あちらの方にバイキング形式でディナーを用意してありますので、ご自由にお召し上がりください。ごゆっくりどうぞ」



そう言って、受付の女性はその場を去っていった






「やっぱりご馳走だ!」



「美晴はホント、食しか興味無いんだからw」



「もうすぐ時間だから、休憩時間に撮りに行こ」



「そうだね」



そう言うと、数分後に辺りの証明が暗くなる



「ほら、始まる!」


と沙也加が興奮気に言う



すると、ステージにはMCとみられる女性が前説を始める



「さぁ、皆さん!!今年もやって参りましたミュージックポップフェスティバルです!ここでは、毎年九州や全国で活躍されている音楽バンドグループやジャズグループの皆様による豪華な披露をしてもらいます。皆さん、ごゆっくりご鑑賞くださいませ!さぁ、盛り上がる準備は良いか❗️」



「オー」と観客が反応する




「聞こえないよ〜、もうこっちは準備が出来てんだ、あとは皆さんだけだ!!、盛り上がる準備は良いか!!」



「オー」と前よりも反応が大きくなる




「では、トップバッターをお呼びします。『フラワーボーイッシュ』です。」



というと、多くの歓声が沸いた




 その後も多くのグループが披露し、休憩時間となった



5人はバイキングを取っていた



「いやぁ、凄く感激したよぉ」



「あと5組、その『スーパーミューンズ』は大トリみたいだね」



「そうだね、なんか気になるね!」




そう言って、美晴はスパゲティなどを山盛りに嗣いでいた



「こら美晴!」



「いやぁだって腹減ったもん!」


と美晴



それだけ聞くとガタイがいいように見えるが、実はスマート体型



数分後、ライブが再開




4組の披露が終えた




「いやぁ、どちらも素敵な披露でしたね。さぁ!、続いてが最後となります!皆さんはおそらくこの方達のために来た人が多いでしょう。さぁ、このフェスをどう締めてくれるのか楽しみです!!では、お聞きください、『スーパーミューンズ』です❗️」


すると、今まで以上の歓声が沸いた



そう言うと、数秒経たないうちにあのドラムが鳴り響き演奏が始まった


その数秒後にボーカルと見られる男性の声が聞こえた



1分後に照明が照らされた



すると、そこには高身長の男性がギターを持ちながら歌っている姿が見えた



オリジナルソング「キズナ」を歌っていた




晴香は横の瑞稀を見ると、どうやら惚れてる様子だった



「瑞稀!瑞稀!」



そう言うと、瑞稀が気がついたのか反応した



「ごめん、ぼーっとしてた」



「絶対惚れただろ!」



「いや、そんなまさかねw」


と照れそうに瑞稀が反応した




すると、気が付けば1曲歌い終えていた




「皆さんこんばんは!私がボーカルさせていただいてます大輔と言います、よろしくお願いします!」



と言うとフゥーという大きな歓声が沸いた




「いやぁ、今日も暑いですねぇ。皆さんお忙しい中来てくれてありがと〜!ちなみに今歌った曲は『キズナ』という曲です。このメンバーの事もそうですし、この地球に生きる皆さんの絆が深まる事を願って私が作った曲です。スーパーミューンズの曲は基本的に私が全て作っています。もし、興味を持った方は今度また長崎でもライブを行いますので、是非お越しください。今日は、最後まで楽しもうぜ‼️」




と言って、次の「ファミリートリガー」を歌い出す




「この俺たちがいる限り、おまえらは運命共同体だ!!」が決め台詞であった




ライブ終了後、5人は会場を後にしようとすると



さっきのボーカルで歌っていた大輔がファンを囲んで歩いていた



それを見かけた瑞稀は咄嗟に走り出す




「お、ちょっと瑞稀!」



と美晴が言うと晴香がその手を止めた



「ここで見とこ、最高の青春を。」

と晴香


すると、それに察した美晴が小声で「えー」と発した




大輔は、ファンたちと喋りながら歩いていた



「大さん、今度のライブお供していいですか?」


「いいよ。」


と言うと、キャーと叫ぶ



「じゃあ、今夜良いですか?」



「いいよ」



するとまた、キャーと叫ぶ



とにかく鬱陶しい女たちに囲まれていた




「あの!お取り込み中失礼しますが、ちょっとお時間よろしいですか?」



と瑞稀が大輔を尋ねた



そこで初めて、2人は顔をあわせた




「ちょっと俺、大事な用事出来たから今夜のはキャンセルするよ。」


そう言うと、女たちは「えー、大さん!」とじゃれて来るので近くの警備員を呼び出し、追い払った



「大さーん!絶対あなたのこと、私のモノにしますわぁ」


と警備員に追い払われながらそう発した




それでやっと2人になった




「あの人たちは、ファンですか?」




「そうとも、まぁライブの時はそれが日常茶判事でね。それで俺になんか用?」



「あのライブ、感動しました。」



「あー、見てくれてんだ。どうだった、あの歌。いやぁ、あれ少し俺ミスちゃってさww」



「そうだったんですか?」



「まぁ、このフェスは初めて観る人が多いと思うからそれで人集めになるから、毎年気合い入れてんだけど、入れ過ぎちゃったねw」




「でも、とてもかっこよかったです。」




「ホント?それは嬉しいな。」




「私、正直惚れました。好きになりました。」



「えーww、俺じゃなくてもっと夢見なよwそれこそ、SMAPとかさww」



「本気です。出来れば連絡先とか聞けませんか?」




「まぁ、俺の携帯なら。。。」




そう言って、手元のメモ帳をちぎって、手書きで電話番号を書いた



その後に瑞稀が電話番号を渡す



それが後々、本当の運命共同体となる



それは、まだ後の話と言いたいところだが



そんなに遠くはない



タダ、この2人が出会わなければ




後々に出てくる主人公は誕生していない。



(第1話完)



※この作品は実話に基づいて描かれてますが、一部フィクションが含まれています。尚、作品中の人称や建物名などは架空です。ただし、一部実在する施設名が出ています。


  ​感想・解説


いやぁ、まさかの1話から色々出てきましたが


これはほとんどが自身が聞いてきた中での実話となっています



中にはドラマのような場面もありましたが、それも実話でございます。



今回の1話を振り返りますと



まずまさかの郵政省が出てきましたねww




あれ、なんなんでしょうねぇ




そして謎のカップ




その次に長崎大学




この関係性気になりません?




後は、最後のあの出会い




あれも実話らしいですよ





まぁ詳しくはこれから読んでいくと分かることです!




そして、今後のストーリー構成ですが



先に予告すると今作は「生前~小学生」までの「成長編」を描きます



その後、上手くいけば「革新編」として「小6~中学生」までを描きます



そして、「発展編」として「高校生~現在」までが描かれているかたちになります




結構かなりこの作品を描くのにかかってまして



半年以上かかりました




この機会に是非、ご覧ください!




今回は第1話でしたが、これから2人はどうなるのでしょうか!




この真相を明らかにしたいところですが



その前に、もう1人の主人公の過去についての話が次の回となります



彼の場合は、なんと幼少期まで遡ります



まぁ、「エリート」とは聞いていましたが




果たしてどんな半生だったんでしょうねぇ




皆さんお楽しみに!!




こうして、解説なども時々挟んでいくのでそちらもどうぞご覧ください‼️